6月25日、彼は。
あの場所が正解だと、あの場所にいると信じたかった。

遊園地の入園料を係員に押し付けて、急いで中に入る。

クリスマスの時のような余裕があるはずはなかった。
 
観覧車に向かって一直線に走っていく。観覧車の前には、私の高校の夏服を来た男子生徒が立っている。

「珀人!」

そう叫んだ私の声に珀人が振り向いた。

「伶菜、どうして……」

珀人は私が来ると思っていなかったようだった。

それでも珀人の目には私への愛おしさが含まれていた。
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