6月25日、彼は。
その珀人の瞳を見て、私は確信する。

珀人は私を突き放すようなことを意味もなくする人じゃない。

どうしてもっと早く気づかなかったのだろう。

「ちゃんと説明して! 何を隠しているの!」

珀人なら何か知っている気がした。しかし珀人は私が問い詰めても、呑気に観覧車を見つめていた。

「珀人!」

しかし、珀人は観覧車を見ているわけではなかったらしい。

珀人の視線は観覧車の手前にある時計に向いていた。

「ねぇ、伶菜。あの時計は何時を指している?」

「え?」

時計は18:00を過ぎた所だった。

ここからでは私が自殺したという橋まで30分はかかるだろう。

つまり、私の自殺は阻止出来たということ?

「私の自殺を止められたの……?」

そう言った私に珀人は悲しそうに笑った。
< 67 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop