悪役令嬢が多すぎる〜転生者リナの場合〜

その8

 悪役令嬢協定に加盟するすべての悪役令嬢と面談を行った結果を、リナはノートにまとめた。すると驚愕の事実が判明した。

悪役令嬢協定に加盟する悪役令嬢および、把握できた野良悪役令嬢の人数:52名

悪役令嬢の前世の国籍
⚫︎日本 40名
⚫︎アメリカ 3名
⚫︎フランス 2名
⚫︎イタリア 1名
⚫︎ロシア 1名
⚫︎その他 5名

プレイしていたゲーム(上位5種類のみ記録)
⚫︎「マジカルアカデミー〜憧れの王子様とラブラブマジック〜」 12名
⚫︎「アルカディアの乙女たち〜生まれ変わりを信じて〜」 10名
⚫︎「獣人ツガイ大作戦〜モフモフたちとのスローライフ〜」 8名
⚫︎「薔薇の学園〜清き花こそ咲き乱れる〜」 2名
⚫︎「夜伽を狙え〜冷酷王の愛憎ハーレム〜」 1名
(以下多すぎるため省略)

ゲーム内の悪役令嬢種別
⚫︎α系統:高飛車、高笑い重視、プライド高い系
⚫︎β系統:二面性あり、表は天使、裏は悪魔系
⚫︎γ系統:悪評に反して実は良い子のなりすまし系
⚫︎δ系統:カリスマ性あり、冷徹、優秀系
⚫︎ε系統:妖艶、お色気、悪女系


 記録を見たエリーゼは、リナお手製のまんじゅうをつまみながら「あらまぁ」と呟いた。

「思っていた以上に日本人転生者が多かったのね」
「私も驚きましたが、こうして皆さんのお話をまとめてみると、悪役令嬢過多以外の新たな問題が浮き彫りになりました。それぞれが参考にしている悪役令嬢の系統が違いすぎて、統一感のない混沌とした悪役令嬢集団が形成されていたんです。これでは適齢期の殿方やヒロインたちも対応が難しいことでしょう」
「最近クレームが増えたと思っていたけれど、何も人数が多いことによるイベント過多や新人のやらかしだけが問題ではなかったということね」

 やってくる悪役令嬢ごとに対応を考えねばならないヒーローやヒロインたちからすれば、まるでゲリラ戦を生き抜いているかのような判断力を求められているわけで、いい加減にしてくれと言われるのも納得だと、エリーゼが深く頷いた。

「リナの調査のおかげで状況はよくわかったわ。ではどうするのが最善かしら」
「そのことなんですが、あと1名、面談が終わっていない悪役令嬢がいるんです」
「あら、おかしいわね。悪役令嬢協定に加盟している者は全員リナの店で面談を受けるよう、グループVILLAIN(ヴィラン)(悪役)で情報共有したのに」
「エリーゼ様、あなたですよ。あなたの面談が終わっていません」

 緑茶を入れ直したリナは、湯呑みを彼女の前に置いた。
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