憧れの御曹司と婚約しました。



 それから数日後、結局私は颯さんの提案を受け入れることにした。父の期待、【morita】との関係、そして何より【もこまる】の誘惑に抗えなかったのだ。
 結婚式はつつがなく終わり、私は高梨日和子として新しい生活を始めた。

 颯さんの自宅は、都心の高級マンションの一室だった。広々としたリビング、モダンなインテリア、そして彼が「仕事部屋だから入らないでくれ」と言った一つの部屋。
 あそこだけは、いつも鍵がかかっていて、なんだか秘密めいた雰囲気だった。
 結婚生活は意外と穏やかだった。颯さんは多忙で、家にいる時間は少なかったけど、約束通り【もこまる】の新作グッズが次々と届いた。
 ぬいぐるみ、キーホルダー、限定のトートバッグ……私の部屋はどんどんもこまるで溢れていった。公の場では、颯さんの妻として振る舞い、笑顔でイベントやパーティーに出席した。でも、家ではもこまるに囲まれて、自由でいられた。


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