憧れの御曹司と婚約しました。
そんなある日、颯さんが留守の午後。
私はリビングで紅茶を飲みながら、もこまるの新作マグカップを眺めていた。すると、仕事部屋の方から「ガタン」と何か重いものが落ちる音が聞こえた。
「え、なに?」
気になって、思わず仕事部屋のドアの前に立った。鍵がかかっているはずなのに、今日はなぜか少し開いていた。私はドキドキしながら、そっとドアを押した。
そこには、想像もしていなかった光景が広がっていた。部屋の壁一面にもこまるのイラストやデザイン画が貼られ、棚には試作品らしきぬいぐるみやフィギュアがずらり。デスクには、もこまるの新作スケッチやカラーパレットの資料が散乱していた。