憧れの御曹司と婚約しました。
「ここは……え、これ、もこまるの!?」
私は目を丸くして立ち尽くした。颯さんが【morita】の社長として多忙なのは知っていたけど、まさか彼がもこまるのデザインに関わっているなんて……!
驚きと興奮で胸がいっぱいになり、私は思わず部屋の中へ一歩踏み入れた。
すると、背後で足音がした。振り返ると、そこには颯さんが立っていた。
「日和子、言ったよね。仕事部屋には入らないでって」
彼の声は静かだったけど、どこか楽しそうな響きがあった。私は慌てて言い訳しようとしたけど、颯さんはクスッと笑ってこう言った。
「まぁ、君ならこうなると思ってたよ。せっかくだから、秘密を教えてあげる。実は――」