憧れの御曹司と婚約しました。
ある日、颯さんが大きなイベントの準備で忙しくしているとき、私はふと彼の仕事部屋で一枚の古い写真を見つけた。そこには、大学生の颯さんと陽佑お兄さま、そして小さな女の子が写っていた。その子は、大きなもこまるのぬいぐるみを抱きしめて笑っていた。よく見ると、その女の子は……私だ。
「これ、いつのだろ……?」
写真の裏には、走り書きで「moritaイベント、初のもこまる」と書かれていた。颯さんがもこまるの生みの親なら、このイベントで私がもこまるにハグされたあの瞬間を、彼も見ていたのかもしれない。
その夜、颯さんが帰宅したとき、私は勇気を出して写真を見せながら尋ねた。
「颯さん、この写真……私と、もこまるの初めての出会いですよね? 颯さんもそこにいたの?」
颯さんは一瞬驚いた顔をしたけど、すぐに柔らかい笑顔を見せた。
「覚えててくれると嬉しいな。あのとき、君がもこまるにハグされて、すっごく幸せそうな顔してた。それを見て、僕、もこまるをもっと多くの人に愛されるキャラにしようって決めたんだ」
その言葉に、私の心は温かくなった。もこまるは、私と颯さんの遠い過去から繋がっていたんだ。そして今、こうやってまた一緒に新しいもこまるを作っている。なんだか、運命みたいなものを感じてしまった。
「颯さん、ありがとう。もこまるのこと、ずっと大切にするね」
「僕もだよ、日和子。君と、もこまるを、これからも守っていく」
颯さんのその言葉は、まるでプロポーズのとき以上に心に響いた。私は頬を赤らめながら、そっともこまるのぬいぐるみを抱きしめた。