憧れの御曹司と婚約しました。




「日和子、来週、【morita】の周年イベントがあるんだけど、そこで新作のもこまるを発表する予定なんだ。君のアイデアが入った『バレンタインもこまる』もお披露目するよ」
「え、ほんと!? 私のアイデアが……!」


 私は思わず飛び上がってしまった。ハート型のしっぽが特徴のバレンタインもこまるは、私がスケッチブックに描いたものがベースになっている。まさかそれが公式に発表されるなんて、夢のようだった。

「それで、君にもイベントでちょっとした役割を担ってほしいんだ。もこまるの新作発表のプレゼンを、一緒にしてくれないか?」
「プレゼン!? 私、できるかな……」


 私は一瞬不安になった。公の場でスピーチするのは、社長夫人として挨拶するのとは別物だ。

 しかも、私は外で働いたことがない。そんな私がもこまるの新作発表なんて……それにファンの期待も大きい。失敗したら、もこまるのイメージを損ねてしまうかもしれない。

「大丈夫。君の、もこまるへの愛は誰にも負けないだろ? その気持ちを伝えるだけでいいんだ。僕も一緒だから」

 颯さんのその言葉に、私は勇気をもらった。もこまるへの愛なら、確かに誰にも負けない。颯さんと一緒なら、きっと大丈夫だ。

「うん、やってみる。颯さん、よろしくお願いします」


 颯さんは私の決意を見て、満足そうに頷いた。



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