憧れの御曹司と婚約しました。



「そうだよ。彼がぜひ日和子と話をしたいと言ってきた。明日、お見合いをセッティングした」
「明日!? お父さま、急すぎます!」
「日和子、君ももう二十歳を過ぎただろう。そろそろ将来のことを真剣に考えてほしい」
 父の言葉に、私は唇を噛んだ。確かに、最近は母からもいい相手を見つけてほしいと何度も言われている。
 私はお茶やお華の稽古に励み、社長令嬢として振る舞ってきたけれど、心の底では【もこまる】に囲まれた幸せな時間があれば十分だと思っていた。縁談なんて、結婚なんて考えたくもなかった。
 結婚なんてしたら、もこまるとはお別れしなければならないし……。

 でも、【morita】の社長からの話となれば、父の立場上、断るのは難しい。結局、私は渋々頷いた。


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