一夜限りの契約妻──冷徹御曹司の独占愛は甘すぎて逃げられない
「それは、契約の中には入ってなかったんじゃ……」

思わず言葉が漏れる。

「そうだね。契約外のことだ。」

聖さんは穏やかに頷きながらも、温かな手で私を包んでくれる。

指先から伝わる熱が、胸の奥をじんと揺らした。

「ごめんなさい。私、知り合ったばかりの人と……そういうことは……」

声が小さくなる。

けれど、それだけは譲れなかった。

じっと見つめられる。

冷徹な瞳のはずなのに、なぜか真剣で、私を射抜くような光を帯びている。

「意外と、真面目なんだね。」

「当たり前じゃないですか。」

思わず言い返す。

私は軽い女じゃない、それだけは分かってほしかった。

沈黙が落ちる。けれど、次に聞こえた声は優しかった。

「……そういうところも、いいと思う」

胸がきゅっと締め付けられる。

契約妻としての役割だけで終わるはずだったのに、彼の言葉は、私を一人の女として見ているようで──思わず息を呑んだ。
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