一夜限りの契約妻──冷徹御曹司の独占愛は甘すぎて逃げられない
「じゃあ、こうしない?」

聖さんが穏やかに微笑み、低い声で囁いた。

「明日、俺とデートする。」

「デート……?」

思わず声が裏返る。

「そう。そして──もしそのデートで“俺に抱かれたい”と思ったら、キスして。」

「えっ……」

耳まで熱くなる。そんなこと、できるわけがない。

けれど彼は余裕を崩さず、グラスを置いて私を見つめる。

「もちろん嫌なら、明日断ってくれてもいい。」

からかうような微笑み。

どう返せばいいのか分からなくて、私は唇を噛んだ。

「そもそも……明日、私が行かなかったら?」

「それは困るな。」

あっさりと返される。

けれど声は冗談めいていなくて、どこか本気の響きを含んでいた。

次の瞬間──聖さんの顔が近づく。

拒む暇もなく、温かな唇が私の唇を優しく塞いだ。

ふっと息が止まり、心臓が激しく打ち始める。

たった一度のキスなのに、体中が熱に包まれてしまう。

(どうして……こんなに、息苦しいのに……嬉しいんだろう)

彼が離れた後も、唇に残る熱が消えなくて、私はただ呆然と彼を見上げていた。
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