一夜限りの契約妻──冷徹御曹司の独占愛は甘すぎて逃げられない
抱き寄せられたまま、再び唇が重なる。

一度目よりも深く、けれど決して乱暴ではなく、優しく確かめるようなキスだった。

甘くて、胸の奥に沁みていく。

「……聖さん」

名を呼ぶと、彼は唇を離し、私の髪をそっと撫でた。

「本当は、今すぐにでも君を抱きたい。」

低い声が耳を震わせる。

「でも……今日はここまでにしておく。」

「えっ……」

思わず見上げると、彼は余裕の笑みを浮かべていた。

「君の気持ちを大事にしたいから。……だから、もう一度だけ約束のキスを。」

そう告げると、彼は再び優しく口づけてきた。

さっきより短く、けれど温かくて胸がいっぱいになる。

唇が離れた後、彼は私の肩を軽く押し、扉の方を示した。

「今夜は帰ろう。次はデートで会おう。」

言葉とは裏腹に、その瞳には名残惜しさが宿っていた。

私は小さく頷くしかできなかった。

バーを出ていく足取りは軽いのか重いのか分からず、ただ唇に残る余韻だけが熱く残っていた。
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