一夜限りの契約妻──冷徹御曹司の独占愛は甘すぎて逃げられない
濡れた髪を聖さんの手がそっと撫でる。

滴る雫を指先で拭われるたび、頬が熱を帯びていくのが自分でもわかった。

バスルームの棚からボディーソープを取り出した聖さんが、私に差し出す。

「ほら、一緒に。」

泡立てたソープを手に取り、恐る恐る彼の腕をなぞった。

滑らかな肌を伝う泡越しに、筋肉の硬さと熱を感じて、思わず視線が泳ぐ。

「くすぐったい?」

彼が笑う。

「……はい。でも、なんだか不思議です。」

やがて彼の手が私の肩に触れ、同じように泡を広げてくれる。

滑らかに撫でられるたび、背筋がぞくりと震えた。

ふと視線を下げると──気づいてしまった。

聖さんが、私を見ながら明らかに昂ぶっていることに。

「あの……もう……」

消え入りそうな声で呟くと、彼は目を逸らさずに言った。

「真帆の体を見てたら……ね。」

耳まで真っ赤になる。

けれど、心の奥では嬉しさが膨らんでいた。

だって、契約でも義務でもなく──私は女として、彼に欲しいと思われている。

その事実が、何よりも甘く、熱く、胸を満たしていった。
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