一夜限りの契約妻──冷徹御曹司の独占愛は甘すぎて逃げられない
カーテンの隙間から柔らかな朝の光が差し込む。

目を開けると、ベッドの横に置かれたテーブルの上に、銀のトレイが並んでいた。

「おはよう、真帆。」

聖さんがにこやかに立っていた。

白いシャツに袖を通しただけの姿。

その余裕の笑みに、昨夜の熱が一気によみがえる。

「……聖さん?」

寝ぼけた声で名前を呼ぶと、彼はトレイを持ってベッドへ近づいてきた。

「モーニング、用意しておいた。クロワッサンとスクランブルエッグ……それにフルーツも。」

「えっ……ホテルの人が?」

「いや、俺が頼んで持ってきてもらったんだ。君を起こす前に、少しくらいは“夫”らしいことがしたくて。」

照れもなくそんなことを言うから、胸がじんと熱くなる。

「夫……」

思わず復唱してしまい、顔が赤くなる。

「昨日はありがとう。初めてなのに、よく頑張ったね。」

優しく頭を撫でられる。

昨夜の不安や痛みを思い出し、胸の奥が温かくなった。

トレイを膝の上に置かれ、香ばしいクロワッサンの香りが広がる。
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