Semisweet.
「中々過去の恋愛の事もあって菜穂は俺と付き合ってくれなかったけど、あまりのしつこさに折れて付き合って、それから喧嘩とかもありつつも何となくうまく付き合って来て、数年の付き合いの末、公私共に支え合って行けるパートナーとして認めて結婚。どう?」

「別にあんたが長く片思いした設定いるの?」

「その方が話的に盛り上がりそうじゃね?」

「…まあ、女子は好きな展開よね。」

「だよな、菜穂が好きな展開じゃないと意味ねぇし。」


 なんか意外と楽しいし本格的じゃない?

 瑞野の止まらない思い出話の捏造に少しワクワクした。

 意外と内容はしっかりしているけど、私もそれを覚えきれるか少し心配だけど、今はそんな想像でも楽しんでいられるからいい。


「お互いに好きな所とか決めとこうぜ。」

「ええ?そこまではいいでしょ。」

「意外と聞かれんだよ。どこがすきなの?とか。」


 どこが好き、なんて考えたら本当のカップルみたいじゃないか。

 仮なのに瑞野のことを好きな人として見なきゃ行けない気がして少し緊張と照れ臭さに襲われた。


「み、瑞野は言えるの?」

「言えるよ。」


 迷いもなくそう答えて体を少し起こした瑞野が私の方を見て、真っ直ぐ見つめてくるその態度にドキッとした。
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