Semisweet.
「い、言える?実際はただの同期の好きな所だよ?」

「言えるって。」


 そう言いながら私の手を掴んでその場から逃げない様にでもされている気になる。

 私の顔を見るとそれから柔らかく笑いかけてくれる。


「まずは、一生懸命な所。仕事で手抜かなくて、どんな相談でも真剣に向き合って良い様に動いているの見ると尊敬する。」

「そんな事思ってたの?」

「尊敬してないと、ライバルにはなれないから。」


 仕事ができるのは私は瑞野の方だと思っていた。

 そんな相手からの思わぬ言葉で何だか少し嬉しい。


「それで、強がりだけど限界な時は俺の事頼ってくれる所。仕事でもプライベートでも、話聞いてって頼ってくれる。」

「そ、それは付き合い長いし。」

「でも、婚約者より唯一勝ってるなって思えるところだった。」


 何を張り合っているのか、と呆れる所もあるけれど、本当に私の事好きみたいな話し方されるの困る。

 確かにあの人に話せないことも瑞野には何でも話せた。
 長い付き合いだったし、今まで気を遣って話せない事なんて無かった。


「後は、意外と可愛い所あるよな菜穂。今も照れて顔真っ赤。」

「嘘!?」

「本当、そういう所俺からしたら結構くる。」

「くるって…。」


 錯覚しちゃいそうになる。瑞野が私の事好きなのかもって。

 もう恋愛なんてこりごりだと思っているし、こんなごっこ遊びみたいな事で本気で気持ちが揺らぐなんて。

 もう怖くて恋愛なんて出来ないって思っているのに、瑞野が凄く真剣で優しい表情をしてくるから。
< 26 / 76 >

この作品をシェア

pagetop