Semisweet.
「お前本当変な所頭固いよな。」

「そんなことないし。」

「もっとポジティブに考えたら?このミスがあの子にとって良かったものになるって。大事だったしそうは思えないかもだけど、とりあえず今回の事は何とかなったんだし。」

「下手したらもっと大惨事になってたかもしれないのにそんなこと思えないよ。次起こさないことを考えなきゃ。」

「それは俺も同じ気持ちだって。でもそんなたられば話で落ち込み続けても仕方ねぇだろ。」


 瑞野の言っていることは十分わかるし、私を励まそうとしての事だというのもわかっている。

 だけどどうしても私には今回の事、大事に至らなくてよかったなんてそんなこと言えない。

 そう考えこむ私に冷えた缶チューハイを頬に当ててきて、ひんやりとしたそれに驚いて一瞬でその場から退いた。


「本当バカ真面目な所尊敬するけど、今回のミスは菜穂だけのせいじゃないから何でもかんでも責任背負おうとすんな。そんないい子ちゃんの仕事モードの菜穂を励ますために俺はここにいるんじゃないし。」


 この男は私の扱いをわかりすぎている。

 本当はこんな風に自分の責任に何もかもしたくない。

 どうして料理の配置くらいちゃんと確認してくれていないの、どうして新人なのに先輩たちが忙しいからってそんな理由で確認してもらうのを怠るの、言われたらすみませんでよくない?とか言いたい事たくさんある。
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