Semisweet.
「ごめんって言ってくれたらそれでよかった。気を付けますって言ってほしかっただけ。」

「うん。」

「てか、レストランの事に関しては向こうの方がプロなんだし本音言えばきちんと確認してやってほしい。私あんなに丁寧に資料作って渡してるのに。」

「だよな、いつも見やすいと思ってるよ。」


 徐々に愚痴が溢れ落ちてきて、そんな私の肩を抱き寄せて頭を撫でながらずっと話を聞いていてくれる。

 優しくされると余計に悔しくて苦しい。

 仕事のミスは自分のせいでもあるってわかっているけど、だけど私一人で背負うには重たすぎるから、周りにも気を付けようってそういう意識でいてほしかっただけだ。

 止まらない愚痴を泣きながら話す私に瑞野は余計な口を挟まずずっと聞いていてくれた。

 こんな風に優しくされること普段ないから甘えたくなって、気が緩んでしまった。

 そのままアルコールも入って、明日も朝から仕事なのにもう止まれなかった。

 私がこんな風に素で甘えられるのなんて瑞野くらいだと思う。


「本当素直になるの遅い。普段これでもかってくらい愚痴ってるくせに。」

「うっさい…、黙って聞け。」

「そんな泣きながら言われてもなぁ。」


 笑う瑞野はいつも余裕があって悔しい。

 私ばかりいつも必死になって、この男に悔しい思いをさせられる。

 それなのに全然嫌いになれない。
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