Semisweet.
 お酒も入って酔いが回った夜。

 瑞野も若干酔っていたとは思う。


「てか、何で菜穂は近くにこんないい男がいるのに好きになんないわけ。菜穂の元カレより数千倍はいい男だと思うんだけど俺。」

「恋愛は嫌なんです~、もうだるい。全部面倒。尽くす生活も飽きた。」

「俺が尽くすじゃん。仕事も理解あってプライベートでこんなに甘えられるの俺しかいないでしょ。ね、好物件じゃん?結婚しよ。」

「そんな酒に酔った勢いでプロポーズしてくる男がいい男って。」


 そういいながらも上機嫌なので笑いが止まらない。

 こんなに酔ったのいつぶりだろ。

 瑞野と飲む時はいつもほろ酔いで、こんなに酔ったことがない。

 終電前には帰って、健全な男女の飲みを行ってきたはずなのに、今はもう深夜1時、終電なんてとっくに逃していて、帰るとすればタクシーしかない。


「てか今日泊ってくつもり?来客用のなんて…。」


 男用の服には一つ覚えがあった。
 元カレのために買っていた、部屋着にする用のトレーナー。
 多分瑞野でも入らなくはないと思う。
 どうせ、一回も着てなかったしこのまま瑞野にあげてもいいかもなんて思っていた。


「服もあるけど、泊ってく?」


 瑞野と私の間に何か起こるはずがないと思い込んでいた。
 今までだってずっと何も起きなかったんだから。
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