Semisweet.
☁︎ 𓂃𓈒𓏸



 その日の修学旅行生対応は支配人のお陰もあって無事に終わり、早速元カレの元へ向かっていた。

 待ち合わせは駅前のカフェ。

 物を渡して帰るだけだ、人も居るし何も問題はない。

 店内に入ってカウンターで注文もせず、真っ直ぐに元カレの姿を探すとよく見慣れた後姿を見付けてそちらに向かう。


「…久しぶり。元気だった?健斗。」



 高橋(たかはし) 健斗(けんと)
 私の事を振った元婚約者。

 名前を呼ばれた健斗は前の様に優しく微笑んで私を見る。


「お疲れ様。アイスティー好きだったでしょ、頼んどいた。」

「…ありがとう。でもすぐ帰るから気遣いは平気。」

「良いから座んなよ。」


 アイスティーは好きだったけど、私はここにミルクを一つ垂らして飲むのが好きだったのは覚えていてくれてはいない。

 私はいつも健斗が飲むコーヒーは健斗が好きな味ですぐ飲めるように準備していたけど、貴方は私の表面しか見ていないよね。

 そう言う気遣い1つ、たったそれだけの事だったけど、そんなすれ違いが多すぎて貴方と居るのは疲れる。

 私が貴方と同じことをしたら俺の事理解していないって、愛が足りないって怒られたでしょうし、私が同じことを言ったらきっとそんなこと?ってバカにしながら笑ったと思う。

 ああ、本当に振られて良かったのかも。

 全てが終わるはずの今ですら私達が一緒に居る理由が見つからない。
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