Semisweet.
「健斗。私は今度も仕事を取るしもう無理。限界なの。それに別れる時言ったじゃない。お前みたいな可愛くない女なんかいらない。可愛げのある女はいくらでもいるって。」

「そんなの思ってないよ。」

「思ってない言葉で人を傷付けて振り回すのいい加減にして!」


 もう限界、全部全部限界。

 自分に向けられる感情全てが気持ち悪い。
 私がきちんと恋愛が出来なくなったのは健斗のせい。

 どうせまた裏切るんでしょ、大事にしてくれないでしょ、都合の良い人間扱いするでしょ。そんな感情が消えない。

 私を最後まで好きで居てくれる人間なんていない、と思わせられたのは、全部全部私を振り回して傷付けていく健斗のせい。

 そう人のせいにしないと、正気を保ってられない自分もぜんぶぜんぶ気持ちが悪い。

 そう分かっているのに健斗のせいにせずにはいられなかった。

 思ったよりも私の大きな声で周り数名はこちらを見ていた。
 ふーッと肩で息をして涙を必死にこらえて健斗を睨みつける。


「もう限界だから、1人にして。2度と連絡してこないで!」


 そう言って荷物をその場に置いて騒いでしまった店内を急いで出る。

 何も言えなくなっていた、目を大きく開いて驚いている健斗に何で私はこんな男に時間を無駄に費やしてしまったのだろうと思った。

 私を好きだという男なんて全員嫌いだ。
 捨てるなら拾わないで。近寄らないで。
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