Semisweet.
「…出張も次の日の昼には帰ってきて会社に顔出すし。気にする事じゃないでしょ。」

「気にする。俺は一瞬でも他の男が菜穂の近くに居るなんて考えたくない。」

「他の男って上司だろうが~~~~~!それも一回り以上違う上司!」


 どこに嫉妬しているのか。

 それならば私だって瑞野に言いたい事なんてある。


「最近、西城さんに懐かれてご飯行きましょ~!って誘われてるんでしょ?よかったじゃない。若くて可愛い新人に懐かれて。19とかじゃなかった?あの子。」

「俺もう少しで28なんだけど。9個違い?犯罪も犯罪過ぎる。」

「大丈夫よ。18歳以上はもう未成年じゃないらしいし。」

「そう言う問題じゃ…!ああ、頭いてぇ…。」


 私でも9個違いの男の子に口説かれたら頭を抱えると思う。

 恋愛対象外、とまでは言わないけど、同じ社内でその年齢差も含め考えられるわけない。

 今年28になる私達は結婚したいならばそろそろ真剣に考えなきゃいけないのだけど、瑞野は可哀想な事に私への気持ちに縛られて中々動き出せないのだろう。

 いつでも解放する気ではいるのに、瑞野はまだ私を好きだと言って告白はせず、今もこうして大衆居酒屋でお酒を飲み交わす関係性で居る。
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