双子の悪女の身代わり〜実は私が創世の聖女です〜
確かに、セルシオより先に彼に出会っていたら、私も彼を好きになっていたかもしれない。
「そこは、君の力で人間に生まれて来てくれよ。創世の聖女様」
「私、創世の聖女なんですか?」
創世の聖女マリアンヌ⋯⋯慈悲深く優しいけれど、愛する夫リカルドに尽くし、夫のことになると無慈悲になる神にも等しく、彼女自身が神であったのではないかと言われる存在⋯⋯。
「そうだよ。カリン。君は創世の聖女の生まれ変わりだ。人を生贄にしようなんて無慈悲な考えが生まれた段階でただの聖女なら神聖力を失っている」
私は彼がベッドの下に描いてあった魔法陣を見てショックを受けたことに気がついた。
「申し訳ありません。ルイスを悲しませるつもりはなかったんです」
「僕が君に卑劣なことをしたんだよね。多分、過去の僕も君を悲しませたい訳じゃなかったと思う。それでも、君を僕自身が苦しめたこと謝らせて欲しい。何があったか話してくれる?」
私はベッドに隣り合って座り、ルイスに時を戻す前にあった出来事を話した。彼と会話をしていると自分がいかに盲目的に行動してきたかが分かってきた。
「僕はカリンを奪いに行ったけれど、セルシオ国王は殺そうとは思っていなかったと思うよ。カルパシーノ王国を帝国の領地として管理するにしても、彼以上の適任者はいないからね」
「確かに⋯⋯セルシオは今思えば自害してますね⋯⋯私も、自分ではなくセルシオの首が狙いだと勘違いしてました」
確かに火の魔力は対象物を燃やすまで燃え続けるが、術者であるルイスのコントロールで完全に消すことができる。
「君が暮らしていた城を燃やそうとしたことは謝らせてくれ。居場所がなくなれば、僕のところに来るしかないと卑劣な考えをしていたと思う」
「騎士たちや使用人も大勢亡くなりました⋯⋯」
「本当に酷いな⋯⋯きっと、僕は密偵から通信機で聞いて彼らが君にとって大切な人だと知っていただろうに⋯⋯」
彼の目が潤み出してて、思わず私はもっと強く彼を抱きしめた。
彼が酷いなら、私はもっと酷い。
セルシオのいなくなった世界など必要ないとばかりに、彼を生贄に時を戻した。
「そこは、君の力で人間に生まれて来てくれよ。創世の聖女様」
「私、創世の聖女なんですか?」
創世の聖女マリアンヌ⋯⋯慈悲深く優しいけれど、愛する夫リカルドに尽くし、夫のことになると無慈悲になる神にも等しく、彼女自身が神であったのではないかと言われる存在⋯⋯。
「そうだよ。カリン。君は創世の聖女の生まれ変わりだ。人を生贄にしようなんて無慈悲な考えが生まれた段階でただの聖女なら神聖力を失っている」
私は彼がベッドの下に描いてあった魔法陣を見てショックを受けたことに気がついた。
「申し訳ありません。ルイスを悲しませるつもりはなかったんです」
「僕が君に卑劣なことをしたんだよね。多分、過去の僕も君を悲しませたい訳じゃなかったと思う。それでも、君を僕自身が苦しめたこと謝らせて欲しい。何があったか話してくれる?」
私はベッドに隣り合って座り、ルイスに時を戻す前にあった出来事を話した。彼と会話をしていると自分がいかに盲目的に行動してきたかが分かってきた。
「僕はカリンを奪いに行ったけれど、セルシオ国王は殺そうとは思っていなかったと思うよ。カルパシーノ王国を帝国の領地として管理するにしても、彼以上の適任者はいないからね」
「確かに⋯⋯セルシオは今思えば自害してますね⋯⋯私も、自分ではなくセルシオの首が狙いだと勘違いしてました」
確かに火の魔力は対象物を燃やすまで燃え続けるが、術者であるルイスのコントロールで完全に消すことができる。
「君が暮らしていた城を燃やそうとしたことは謝らせてくれ。居場所がなくなれば、僕のところに来るしかないと卑劣な考えをしていたと思う」
「騎士たちや使用人も大勢亡くなりました⋯⋯」
「本当に酷いな⋯⋯きっと、僕は密偵から通信機で聞いて彼らが君にとって大切な人だと知っていただろうに⋯⋯」
彼の目が潤み出してて、思わず私はもっと強く彼を抱きしめた。
彼が酷いなら、私はもっと酷い。
セルシオのいなくなった世界など必要ないとばかりに、彼を生贄に時を戻した。