双子の悪女の身代わり〜実は私が創世の聖女です〜
15.何もしないので安心してください。
「セルシオ・カルパシーノ、カルパシーノの父よ。そなたは、アリドネ・シャリレーンを妻とし、病める時も、健やかな時も、貧しい時も、豊かな時も、喜びあっても、悲しみあっても、死が2人を分つまで愛を誓い、妻を想い添うことを、神聖なる婚姻の契約の元に、誓いますか?」
神父がゆっくりと誓いの言葉を読み上げる言葉に私は思わず、セルシオの横顔を見た。優しくで穏やかな、ずっと見てきた彼の顔だ。回帰前も最期まで私に対して彼が向けた表情だ。私の知らないところで、怒りや悲しみで表情を歪めた事もあったはずだ。
(なんだろう、胸が苦しい⋯⋯私、全然彼のことを支えられてなかったんだ)
「はい、誓います」
優しく落ち着いたセルシオの声を聞き、私は小さく深呼吸をし気持ちを落ち着け神父の方を向いた。
「アリアドネ・シャリレーン、そなたは、セルシオ・カルパシーノを夫とし、病める時も、健やかな時も、貧しい時も、豊かな時も、喜びあっても、悲しみあっても、死が2人を分つまで愛を誓い、夫を想い添うことを、神聖なる婚姻の契約の元に、誓いますか?」
私は自分がアリアドネとして彼と結婚している事に改めて気づかされた。回帰前、彼が悩みを相談してくれないことを寂しく思ったが、そもそも騙しているような女に重要なことを話せるはずがない。彼を守る為にも、今晩、私は自分の正体を彼に明かそうと思う。
「はい、誓います」
私は、今度こそセルシオを守り抜く誓いをした。
「国王陛下万歳!」
「王妃殿下万歳!」
誓いの言葉を交わし合った後、周りが急に万歳を繰り返し出す。
実は結婚式はこれでお終いだったりする。
誓いの口づけがないことに前回はホッとしたが、今は誓いの口づけくらいさせて欲しいと思ってしまう。
(今度は初夜で口づけがあるかしら? いや、それ以上のことがあるはず⋯⋯)
「大丈夫か? 顔が真っ赤だが、具合が悪いんじゃ⋯⋯」
セルシオが心配そうに私にそっと囁きかけてくる。
いやらしい想像をして興奮したとはとても言えない。
神父がゆっくりと誓いの言葉を読み上げる言葉に私は思わず、セルシオの横顔を見た。優しくで穏やかな、ずっと見てきた彼の顔だ。回帰前も最期まで私に対して彼が向けた表情だ。私の知らないところで、怒りや悲しみで表情を歪めた事もあったはずだ。
(なんだろう、胸が苦しい⋯⋯私、全然彼のことを支えられてなかったんだ)
「はい、誓います」
優しく落ち着いたセルシオの声を聞き、私は小さく深呼吸をし気持ちを落ち着け神父の方を向いた。
「アリアドネ・シャリレーン、そなたは、セルシオ・カルパシーノを夫とし、病める時も、健やかな時も、貧しい時も、豊かな時も、喜びあっても、悲しみあっても、死が2人を分つまで愛を誓い、夫を想い添うことを、神聖なる婚姻の契約の元に、誓いますか?」
私は自分がアリアドネとして彼と結婚している事に改めて気づかされた。回帰前、彼が悩みを相談してくれないことを寂しく思ったが、そもそも騙しているような女に重要なことを話せるはずがない。彼を守る為にも、今晩、私は自分の正体を彼に明かそうと思う。
「はい、誓います」
私は、今度こそセルシオを守り抜く誓いをした。
「国王陛下万歳!」
「王妃殿下万歳!」
誓いの言葉を交わし合った後、周りが急に万歳を繰り返し出す。
実は結婚式はこれでお終いだったりする。
誓いの口づけがないことに前回はホッとしたが、今は誓いの口づけくらいさせて欲しいと思ってしまう。
(今度は初夜で口づけがあるかしら? いや、それ以上のことがあるはず⋯⋯)
「大丈夫か? 顔が真っ赤だが、具合が悪いんじゃ⋯⋯」
セルシオが心配そうに私にそっと囁きかけてくる。
いやらしい想像をして興奮したとはとても言えない。