最強で、最孤


「休憩。5分間ね。水分補給しっかり」

瑠那の一言に、皆が一斉に崩れるように腰を下ろす。

瑠那の隣に、そっと白石が座った。

「黒瀬先輩」

「ん?」

「......ちょっと怖いけど、先輩が戻ってきてくれてよかった。今、やっと、“剣道部”になった気がします」

瑠那は、少し視線を外してから、小さく笑った。

「いいえ、こちらこそ。 やっと“チーム”って呼べそうになってきた」

静かな休憩時間の中で、誰もが自分の中、剣道部の中の「変化」に気づき始めていた。

この部活で、今までと違う何かが始まろうとしていた。
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