最強で、最孤
団体戦・1回戦目
ついに、私達の試合の順番がやってきた。
空気が張り詰める。
5人並んで相手チームと礼をする。
まずは先鋒、加藤。
ゆっくりと蹲踞をした。
加藤の目はまっすぐに相手を見据えていた。
普段はヘラヘラしていた彼女が、今はまるで別人のようだった。
相手は体格の良い選手。油断は禁物だ。
「始め!!」
審判の掛け声と同時に、加藤は素早く構えを取る。
お互い、打っては防がれ、鍔迫り合いが続く。
しかし次の瞬間——
「面っ!!」
加藤は、相手の出てくるところを捉えて、鋭く竹刀を走らせた。
「パシンッ!」という小気味良い音が響いた。
「面あり!」
主審の声に、応援席から歓声が上がる。
(よし、先手を取った)
加藤は呼吸を整え、再び構える。
次は、相手が仕掛けてきた。
小手を狙って手元を上げる——が、それを読んでいた。
すっと半歩後退しながら、クルッと竹刀を回して面を打つ。
「面あり!」
二本目も決まった。
「勝負あり!」
歓声が上がる。
加藤は礼儀正しく作法を行い、こちらへ戻ってきた。
グータッチする手は、わずかに震えている。
「流れは、作ったよ。あとはお願いね」
安心したような表情で言ったその顔には、今まで見たことのない誇りがあった。
空気が張り詰める。
5人並んで相手チームと礼をする。
まずは先鋒、加藤。
ゆっくりと蹲踞をした。
加藤の目はまっすぐに相手を見据えていた。
普段はヘラヘラしていた彼女が、今はまるで別人のようだった。
相手は体格の良い選手。油断は禁物だ。
「始め!!」
審判の掛け声と同時に、加藤は素早く構えを取る。
お互い、打っては防がれ、鍔迫り合いが続く。
しかし次の瞬間——
「面っ!!」
加藤は、相手の出てくるところを捉えて、鋭く竹刀を走らせた。
「パシンッ!」という小気味良い音が響いた。
「面あり!」
主審の声に、応援席から歓声が上がる。
(よし、先手を取った)
加藤は呼吸を整え、再び構える。
次は、相手が仕掛けてきた。
小手を狙って手元を上げる——が、それを読んでいた。
すっと半歩後退しながら、クルッと竹刀を回して面を打つ。
「面あり!」
二本目も決まった。
「勝負あり!」
歓声が上がる。
加藤は礼儀正しく作法を行い、こちらへ戻ってきた。
グータッチする手は、わずかに震えている。
「流れは、作ったよ。あとはお願いね」
安心したような表情で言ったその顔には、今まで見たことのない誇りがあった。