キスは契約違反です!! ~年下御曹司と期間限定ルームシェア~
近くのパーキングに停められていた、如月くんの車に乗せられた。そうして彼に連れて行かれたのは、東雲リゾートが運営するイタリアンレストラン――五年前に私が初めて一人で営業を担当した、思い出深いレストランだった。
壁にぶつかってもがく苦しさと、それでもやり抜いて掴み取った達成感。様々な感慨が飛来する店内へ、如月くんが私を案内する。
店内は、ディナータイムに向けた準備の最中。社長令息の来店ということで、従業員のみんなは恐縮した様子だ。そんな彼らに穏やかに声をかけながら、如月くんは店内を歩いていく。
「こちらの予約席は?」
カトラリーを丁寧に並べていた女性スタッフは、手を止めて、ぴんと背筋を伸ばして答えた。
「ご夫婦のお客様です」
「そっか。何かのイベントで?」
「結婚記念日で……毎年、ご来店いただいております」
「へえ、ここを気に入ってくださってるんだね。素敵なおもてなしを、いつもありがとうございます」
「お……恐れ入ります!」
ぺこりと頭を下げる彼女に、如月くんは柔らかな笑みを向ける。そうして、隣のテーブルをセッティングしている男性スタッフに声を掛けた。彼からは、「娘さんの誕生日で、ご家族でご来店されます」という答えが返ってきた。その他のテーブルについても、「女子会」「ご友人同士で」「デート」――など、いろいろな答えが返ってきた。
やがて窓の外の景色が夜色に沈み、店内のシャンデリアに暖かみのある明かりが灯る。
夜景の見える窓際の席へ、私をエスコートした如月くんは、スタッフにワインを注文したあと、私に向き直る。
壁にぶつかってもがく苦しさと、それでもやり抜いて掴み取った達成感。様々な感慨が飛来する店内へ、如月くんが私を案内する。
店内は、ディナータイムに向けた準備の最中。社長令息の来店ということで、従業員のみんなは恐縮した様子だ。そんな彼らに穏やかに声をかけながら、如月くんは店内を歩いていく。
「こちらの予約席は?」
カトラリーを丁寧に並べていた女性スタッフは、手を止めて、ぴんと背筋を伸ばして答えた。
「ご夫婦のお客様です」
「そっか。何かのイベントで?」
「結婚記念日で……毎年、ご来店いただいております」
「へえ、ここを気に入ってくださってるんだね。素敵なおもてなしを、いつもありがとうございます」
「お……恐れ入ります!」
ぺこりと頭を下げる彼女に、如月くんは柔らかな笑みを向ける。そうして、隣のテーブルをセッティングしている男性スタッフに声を掛けた。彼からは、「娘さんの誕生日で、ご家族でご来店されます」という答えが返ってきた。その他のテーブルについても、「女子会」「ご友人同士で」「デート」――など、いろいろな答えが返ってきた。
やがて窓の外の景色が夜色に沈み、店内のシャンデリアに暖かみのある明かりが灯る。
夜景の見える窓際の席へ、私をエスコートした如月くんは、スタッフにワインを注文したあと、私に向き直る。