隠れ許嫁は最終バスで求婚される
「……ばか」
「こうやって、モネちゃんをたくさん可愛がりたかった。って言ったら退く?」
「お兄ちゃんがだめならモネちゃんもだめじゃない?」
「呼び捨てにされたいならこれから一生モネって呼ぶけど?」
「もう……一季さんの好きにして」
きつく抱き締められて、啄むだけの接吻が深いものへと変化する。最終バスのなかでぎこちなくふれ合ったときよりも更に甘い口づけに、あたしの脳内はぐずぐずに蕩けていく。着ていたブラウスのボタンがはじけ飛ぶ。誘惑するかのようにささやかな胸の谷間が顔を出す。それを見て一季さんが顔を真っ赤にする。
「こら、煽るなって」
「煽ってません」
「成長しやがって……」
そう言いながら一季さんはあたしの身体を撫でていく。口づけだけで身体を火照らせていたあたしは更なる刺激に心躍らせる。
叶いっこないと思っていた初恋相手が自分を可愛いと言いながら求めて来るなんて考えたこともなかった。失恋して最終バスに乗って寝過ごして、まさか再会して結婚に向けて動き出すなんて……現に自分の目の前で繰りひろげられているのに、夢を見ているみたいだ。初秋の昼の夢。
彼がふれてくる都度、あたしの身体は息を吹き返すかのように歓びを感じていた。このまま彼に溺れたい。
「――成長したよ。だから昨夜のつづきをしよう?」
「こうやって、モネちゃんをたくさん可愛がりたかった。って言ったら退く?」
「お兄ちゃんがだめならモネちゃんもだめじゃない?」
「呼び捨てにされたいならこれから一生モネって呼ぶけど?」
「もう……一季さんの好きにして」
きつく抱き締められて、啄むだけの接吻が深いものへと変化する。最終バスのなかでぎこちなくふれ合ったときよりも更に甘い口づけに、あたしの脳内はぐずぐずに蕩けていく。着ていたブラウスのボタンがはじけ飛ぶ。誘惑するかのようにささやかな胸の谷間が顔を出す。それを見て一季さんが顔を真っ赤にする。
「こら、煽るなって」
「煽ってません」
「成長しやがって……」
そう言いながら一季さんはあたしの身体を撫でていく。口づけだけで身体を火照らせていたあたしは更なる刺激に心躍らせる。
叶いっこないと思っていた初恋相手が自分を可愛いと言いながら求めて来るなんて考えたこともなかった。失恋して最終バスに乗って寝過ごして、まさか再会して結婚に向けて動き出すなんて……現に自分の目の前で繰りひろげられているのに、夢を見ているみたいだ。初秋の昼の夢。
彼がふれてくる都度、あたしの身体は息を吹き返すかのように歓びを感じていた。このまま彼に溺れたい。
「――成長したよ。だから昨夜のつづきをしよう?」