お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
「それで……奈都子は疑いが晴れたのに、他に何を気にしてるんだ?」
「あ…」
そうだ、その話をしなきゃだったのにすっかり忘れてた。
「…俺には言えないか…?」
その少し寂しげな声に「ううん!」と大きく首を振ると、私の心の内を正直に話した。
「…会社を辞めようと思ってて…」
「あぁ。けど、奈都子はこの仕事が嫌になったんじゃないんだろ?」
察していたのか、特段驚くこともない桜賀のその問いに頷いた。
「もちろん。誰かの人生の安心のためにお手伝いができるこの仕事は大好きなの。…でも…支店に居づらくて…」
「けど、もう真実は明らかになったんだろ?それでも辞めたいのか?」
「本当は辞めたくないよ、できることなら仕事は続けたい。けど……やっぱり多摩支店には居づらいというか……疲れちゃった」
「それは鈴原や保科達が多摩支店からいなくなっても?」
「ん……一部の人ではあるけど…曽我課長やルナさんの肩を持つ人達にも陰で色々と言われてたし……それを謝られたからといってすぐに切り替えられるものでもなくて……ごめん、弱い人間で」
へへ…と情けない顔で笑うと、桜賀は怒りを含めた苦い顔を露にして言う。
「すぐに助けてやれなくてほんとごめん…辛かったよな……。ってか許せねぇ…支店の奴ら……曽我も鈴原達も…今に見てろよ、俺は絶対に許さねぇから」
桜賀…
「そこまで怒ってくれてありがとう。それだけで充分…」
本当にその気持ちがありがたくて嬉しくて…こらえていた涙がぽろりとこぼれ落ちた。
今なら…私の素直な気持ちが、ちゃんと言えそうな気がする。
うん。
心を決めるとハンカチで涙を拭い、桜賀に向き合った。
「桜賀、この前のお返事…になるかどうかもわからないんだけど…私の気持ちを話してもいい?」
「あぁ。…でもそう改まって言われるとなんかヤバそうな感じがして緊張するな。…んー…んんん……ヨシ!覚悟は決めた!正直に話してくれ!俺はどんな返事でも受け止めるから!な!」
冗談めかして明るく言ってくれる桜賀の気持ちに触れ、私の緊張も少しほぐれたところで、桜賀をまっすぐに見た。