お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
「……てことで、予定どおり奈都子を本社に移して欲しいんだ」
『わかったわ。奈都子ちゃんもそこにいるのよね?』
「あぁ、いるよ」
と言うと、私の方へスマホを向けた。
『こんばんは、奈都子ちゃん。今、響から聞いた話の通りで間違いはないかしら?響が勝手に押し進めてるってことはない?』
「副社長、こんばんは。はい、響さんの仰った通りで間違いありません。ですが…本当に私なんかがこのような特別扱いを受けてもよろしいのでしょうか…」
『もちろんよ。響も話したと思うけど、今回の件をここまで長引かせてしまったのは会社の過失だわ。奈都子ちゃんの置かれた状況を知ってからもここに来るまで時間がかかってしまって、奈都子ちゃんにはそれだけ長く辛い思いをさせてしまったんだもの…。もちろんこれで終わりではないけれど、まずは奈都子ちゃんがのびのびと働ける環境を提供したいの』
「そうでしたか……何だかすみません」
『いいえ、それにね、何より窓口には奈都子ちゃんの様な人にいて欲しいと思ってるの。……では、本社へ異動ということで、時期などはまた追って相談させて貰うわね』
「はい、お手数をお掛けいたしますが、よろしくお願いいたします」
『響もちゃんとフォローするのよ』
「分かってるよ、当たり前だろ」
『それじゃあ奈都子ちゃん、また連絡するわね』
「はい、ありがとうございました」
…本当に…
本当に本社扱いの窓口業務で働けるんだ…
このお仕事を続けられるんだ…
よかった…!
いきなり降って湧いたありがたいお話に、ほぅっ…と安堵していると、すぐ隣に座る桜賀が、私の両手を取り、優しく握った。
「これでもうくすぶってるものはないな?」
「あ…うん」
「じゃあ…奈都子、改めて言わせてくれ」
ということは、お付き合いの事かな…と思いながら桜賀に顔を向けると、いつにないその真剣な眼差しに、胸がドクン!と強く鳴った。
「奈都子」
「…はい」
「奈都子は俺にとって命の恩人であり、一生隣にいてほしいと思う、かけがえのない女性なんだ。俺は生涯、奈都子だけを愛すると誓うし、必ず奈都子を守り、絶対に幸せにすると約束する。だから…奈都子、俺と結婚してください」