お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
彼──間宮 礼範(まみや あやのり)くんは、大学3年の秋から4年の夏頃にかけてお付き合いしていた言わば元彼で、私達の通っていた大学のミスターキャンパスのファイナリストに残る程の人だったりする。

K-POPアイドルグループにいてもおかしくない様な爽やかな顔立ちで、背もそこそこ高く、誰に対しても優しくフレンドリーに接しているからか、女子から人気がある事は1年の時から知っていたけど、私は特段興味もなく好意を持つこともなかった。

そんな私が間宮くんと話す様になったのは、3年の時に同じゼミになってから。
とはいえ、ゼミでも必要なことしか話さなかったから、特に仲が良い訳ではなかったんだ。

それがなぜか大学祭の後に告白されて、その時は、何かの間違い、或いは罰ゲームによる嘘の告白じゃないか?という疑いも拭えなかったため断ったのだけど、その後も何度もアプローチされ、最終的には私が折れる形で友達付き合いから始まった。
しかし、結局1年足らずでその関係は終わったのだけど、とにかく別れ方が最悪だった。

だから、思い出したくもないのに、何で仕事の場で会うかな…

ていうか、間宮くん…別れた時の出来事を忘れた訳じゃないよね?
あれだけ大騒ぎになったのに、こんな風に馴れ馴れしくできるものなの?


…はぁ、やだな…
ちゃんと仕事をしなきゃいけないのに、何で今日に限ってこうもモヤモヤする出来事が重なるんだろう…


…頑張れ!私!
今日頑張ったら、ご褒美に『たからばな』の貴醸酒、飲もうっと!
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