お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
「ん~!……久々の長時間の座学は疲れたぁ!」
今日の研修が全て終わり、講師の方がお部屋を出られるとすぐさま葵が身体を伸ばし始めた。
「そうだね、基礎知識も商品知識も分かってるはずなのにね」
「ほんっと頭パンパンよ!明日まで覚えてられるかしら」
「あはは、忘れないでよ?…じゃあ今日はもう帰ろっか。お疲れついでにお茶してく?」
なんていつもの会話をしていると、一般募集で入った若い女性が三人、私達の元へやってきた。
お昼休みにも少しお話ししたんだけど、皆さんは私達と同世代なのと、穏やかな人柄なのとで、親しみやすい方達なの。
既婚者の、相田(あいだ)さんと、今岡(いまおか)さん、そして、結婚間近だという上野(うえの)さん。
研修開始早々、講師の方に、名字の頭文字を取って〝あ・い・うトリオ〞と名付けられたのだけど、そのおかげで他の皆さんとも早く打ち解けられてね。
「宝花さん、楢橋さん、お疲れ様です」
「お疲れ様です。慣れない環境で一日座学は疲れますよね、大丈夫ですか?」
「はい、頭を使うのは正直疲れましたけど、でも皆さんいい方ばかりで救われてます」
「ほんとにそう!緊張はするけど精神的に辛くないっていうか」
「そうですよね、チーフのお二人と社員の皆さんに優しくフォローしてもらえて、本当に安心してます」
「それはよかったわー。身内贔屓じゃないけど、今回窓口スタッフに採用されたのって人柄でも優秀な人達だからね、もちろんあたしとナツコを含めて」
なんて冗談めかしたドヤ顔で葵は言う。
「それ、わかります!」
「だよね!」
「わかるわかる!」
「あはは、葵は言い過ぎだけど、でもありがとう」
なんてみんなで穏やかに話していると、他のスタッフ達が「お疲れ様でしたー」「奈都子ちゃん達、また明日ね~」「お先でーす」と研修会場を後にしていった。
そしてお部屋に私達5人だけになると、上野さんが私に「あのぅ…」と抑えた声で訊ねてきた。
「はい、何でしょう」
「研修が始まる時に副社長と一緒に来られた桜賀さんて、宝花さんの彼氏さんですよね?」
その問いに、葵と顔を見合わせてしまった。
「それは…」
思いもよらなかった質問に驚き、私が言葉を選んでいると、葵が「ちょっと話そっか」と皆をその場の椅子に座らせた。
今日の研修が全て終わり、講師の方がお部屋を出られるとすぐさま葵が身体を伸ばし始めた。
「そうだね、基礎知識も商品知識も分かってるはずなのにね」
「ほんっと頭パンパンよ!明日まで覚えてられるかしら」
「あはは、忘れないでよ?…じゃあ今日はもう帰ろっか。お疲れついでにお茶してく?」
なんていつもの会話をしていると、一般募集で入った若い女性が三人、私達の元へやってきた。
お昼休みにも少しお話ししたんだけど、皆さんは私達と同世代なのと、穏やかな人柄なのとで、親しみやすい方達なの。
既婚者の、相田(あいだ)さんと、今岡(いまおか)さん、そして、結婚間近だという上野(うえの)さん。
研修開始早々、講師の方に、名字の頭文字を取って〝あ・い・うトリオ〞と名付けられたのだけど、そのおかげで他の皆さんとも早く打ち解けられてね。
「宝花さん、楢橋さん、お疲れ様です」
「お疲れ様です。慣れない環境で一日座学は疲れますよね、大丈夫ですか?」
「はい、頭を使うのは正直疲れましたけど、でも皆さんいい方ばかりで救われてます」
「ほんとにそう!緊張はするけど精神的に辛くないっていうか」
「そうですよね、チーフのお二人と社員の皆さんに優しくフォローしてもらえて、本当に安心してます」
「それはよかったわー。身内贔屓じゃないけど、今回窓口スタッフに採用されたのって人柄でも優秀な人達だからね、もちろんあたしとナツコを含めて」
なんて冗談めかしたドヤ顔で葵は言う。
「それ、わかります!」
「だよね!」
「わかるわかる!」
「あはは、葵は言い過ぎだけど、でもありがとう」
なんてみんなで穏やかに話していると、他のスタッフ達が「お疲れ様でしたー」「奈都子ちゃん達、また明日ね~」「お先でーす」と研修会場を後にしていった。
そしてお部屋に私達5人だけになると、上野さんが私に「あのぅ…」と抑えた声で訊ねてきた。
「はい、何でしょう」
「研修が始まる時に副社長と一緒に来られた桜賀さんて、宝花さんの彼氏さんですよね?」
その問いに、葵と顔を見合わせてしまった。
「それは…」
思いもよらなかった質問に驚き、私が言葉を選んでいると、葵が「ちょっと話そっか」と皆をその場の椅子に座らせた。