お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
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「じゃ、くれぐれもナツコに気付かれない様に頼んだわよ」

「あぁ。…楢橋、爽維さん、本当にありがとうございます。迷惑かけますがよろしくお願いします」

「やーね、迷惑だったら提案なんてしないっての、水くさいわねー。…じゃ、川嶋さんの件もちゃんと話して仲良くするのよ!何度も言うけど、ナツコを悲しませる奴は、あんただろうと容赦しないからね!」

「ハハ、容赦ないのはわかってる」

「じゃあ、また明日!」
「桜賀くん、お疲れ様」

「はい、ありがとうございました」


ファミレスを出て二人と別れた俺は本社へ戻り、途中で止まっていた仕事に取り掛かった。

ふぅ…まだ残ってるこっちの仕事は持ち帰りだな。


それよりも…

奈都子…どうして何も言ってくれないんだよ…

楢橋の言うとおり、ちゃんと話さなきゃいけないよな。
…この目まぐるしい仕事が落ち着いたらすぐにでも…

だからもう少し、もう少しだけ待っててくれ、奈都子。




──そう考えてる事自体が奈都子に甘えているのだと、この時に気付けばよかったんだ…


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