お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
「おっはよん、ナツコ!」
「葵…おはよ」
葵と爽維くんが住むマンションと、私と響の住むマンションは徒歩数分の場所にあり、葵達のマンションから最寄駅までの最短ルート上に私達のマンションがあるため、葵が迎えに来てくれる形で一緒に通勤している。
「…何、暗いわね。昨日の舟山さんの相談、うまく行かなかった?」
「ううん、舟山さんとはしっかり話せたよ」
「じゃあ何よ。桜賀ともちゃんと話したんでしょ?」
「や…それが話せてないんだよね。昨日夜にメッセージしたけど、響、家で仕事しながら寝落ちしたったみたいで、夜中の時間で返事がきてたからさ」
「そっか……実は昨日の打ち合わせでも終盤で寝ちゃってたのよ、桜賀。家でもそんな状態って、どんだけやること多いのよ」
「うん…だから心配なんだよね…体のこと」
「じゃあさ、栄養のつくものとか差し入れしよか!あたしと連名で〝同期コンビから〞なら回りからも怪しまれないでしょ。うちらだって桜賀から栄養ドリンクとか貰ってたじゃない?そのお礼って言えば」
「…そうだね。ありがと、葵」
「なぁに言ってんの、水くさい。…じゃコンビニで高級ドリンク剤買ってこ!あとはナツコの裸の写真があれば一発で元気になるのになー」
「それこそ〝なぁに言ってんの〞だよ、アハハ」
なんて笑っては見せたものの…
響の健康面はもちろんだけど、心の奥底では川嶋さんとのことが気になって仕方がなかった。