お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
本社ビルの最寄駅近くのコンビニに寄った私達は、お高めの栄養ドリンクやゼリー飲料にプロテインバー、それから響の好きな野菜ジュースやお菓子を買うと、それらを私がいつも持ち歩いている小さめのモスグリーンのエコバッグに入れた。
これなら響が持っていても違和感ないしね。


「いた?旦那」
「ううん、まだ来て……あっ、来た」

コンビニを出る前に響にメッセージを送っておいたんだけど、よかった、ちゃんと来てくれて…

「おっはよ、桜賀」
「桜賀、おはよう」

「あぁ、おはよう」

その返事に、いつもの覇気はない。

「あんたさ、ちょっと頑張り過ぎなんじゃない?これ、同期としてあたし達からの差し入れだから。忙しいのはどーしょもないけどさ、体も大事にしなさいよ?ほら、ナツコも言ってやんな」

「だいぶ疲れてるよね…本当に無理しないでね」

回りには聞こえない位の声で響を見て言った。

こうしてちゃんと見つめ合うのも久しぶりだよね、響もそう思って何か言ってくれるかな?なんて嬉しく思っていたら、響が困った様な表情を見せ、フッと私から目をそらした。


…え…?


「…これ、サンキュ。お、あんま食事の時間も取れないからこーゆーの助かるわ。…じゃ、おまえ達も研修頑張れよ」

手に取ったエコバッグの中を覗いてそう言うと、響は普段の早足でエレベーターへと向かった。


「…何かやけにあっさりしてたわね」
「うん…まぁ〝同期として〞だし…」
「それにしたって、ナツコにはもう少しさぁ…」
「…っ…ほら、用事も済んだことだし私達も行こうよ、オフィス。今日もロープレあるんだよね、臨機応変て難しいからなぁ、ちゃんとできるかな」

なんて話を逸らしながら葵を促し、私が先だって窓口オフィスへと歩き始めた。

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