お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
「奈都子、これも食えよ」
桜賀が私に美味しいお肉を勧めてくれた。
けど…これは桜賀の分だよ?
「気に入ったんだろ?いーよ、俺は食ったことあるし」
「ほんと!? やったぁ!ありがとー!桜賀大好き!いただきまーす」
「…オマエはそんな肉の1枚ごときで軽々しく男に大好きとか言うのか?……って聞いてねーし」
もぐもぐもぐもぐ…
「うー!おいしいっ!何この甘さ…涙出そう……当分の間、これを思い出してもやし生活しよう……あぁっ!動画撮っておけばよかった!」
「動画?何の」
「このお肉の焼ける様子!これを見ながらご飯を食べるの!…でもまぁ他のお肉でもいっか、どれもおいしいから!」
「そんなに金欠なのか?」
「普段は金欠じゃないよ?でもさ、ここのお勘定はきっとすごいことになると思うし、節約は必須だな、って」
「それは悪かったな」
「ううん!今日はご褒美だと思ってるから」
「…自腹なのにか?」
「うん。自腹でも何でも、こんなに美味しいお肉が食べられたんだもん。うふふー」
しかも、桜賀と二人でなんて贅沢すぎる。
それに(恋人らしくはなかったけど)手も繋いだもんね。
あっ、そうだ。
つい調子に乗って言っちゃった「大好き」の言葉。
桜賀を目の前にして言ったのは初めてだった。
冗談めかして言ったけど…それは本当の気持ちなんだよ。
…なんて、それを言うわけにはいかないから、聞こえなかった体ではぐらかしてしまった。