お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~

結婚式はサプライズで!/side 桜賀

──5月

桜の木の瑞々しい緑色が眩しい今日は、楢橋と爽維さんの結婚式当日であり、奈都子の26歳の誕生日でもある。

そして…

さっき区役所へ婚姻届を出してきたから、俺と奈都子はもうれっきとした夫婦なんだ!

区役所から高輪のラピスホテルまで嬉しさを隠そうとしない俺を見て奈都子が楽しそうに笑い、その都度、口元に添える左手のキラキラと輝く婚約指輪の存在感が更に幸せを増幅させている。

あー…何この幸せ…


ちなみに結婚指環も持ってきているが、それはまだ着けていないんだ。

だって、この後で盛大な出番があるんだからな。



「わぁ…ドキドキする!」
「緊張する?ブライズメイド」
「ううん、ドキドキするのはここのホテル」
「高輪のラピスが?」
「うん!…ほら、ここって2回とも響との大事なお話で来てるから、嬉しくてドキドキする場所なんだ。だから…いつか結婚式もここでできたら幸せだろうなぁ…なんて。エヘヘ」

ラピスニューグランドホテル高輪のエントランスロビーで、奈都子がはにかみながら言う。

あーもう、こっちは念願の夫婦になれた嬉しさで爆発寸前だってのに、こんな可愛いワンピース姿で可愛いこと言われたら、ニヤニヤから顔が戻らなくなるっての。

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