お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
「あっ、ナツコお帰りぃ!さー、今度はナツコの番よー!」

上野さんと一緒に5階にあるブライズルームに入ると、ドレスアップした葵が出迎えてくれた。


「…わあ!すごい!シルクのマーメイドライン、すっごい綺麗でかっこよくて、葵らしくてホント似合ってる!」

髪型も普段のポニーテールではなく、高めのシニヨンに上品なティアラが乗るヘアスタイルで、きらびやか且つゴージャスなのに、それがウェディングドレスなものだから、目頭が熱くなってきちゃった。

「やだ…こんな綺麗な花嫁姿の葵を見たら嬉しくて…へへ」

涙目で少し鼻をすすると、葵も涙目で言う。

「な…何よもー…最初っからこんなだと涙がもたないよ!…ほら、そんなことよりナツコの着替え!」

「エヘヘ、そうだね。でも私はこの前決めたあのピンクのロングワンピを着るだけだからすぐに終わるし」

「まーまー、とにかくこっち来て着替えるわよ!上野さんとの話も着替えながらすればいーし!」

「そっか、そうだね、わかった!」

ゴージャスな葵を見たことですっかり忘れていたけど、間宮くんと上野さんの登場という大きな謎があったんだった。

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