お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~

「ん、…うまいな、マジで」

あれ、声のトーンが普段通りだ。

「一番いいとこ食いやがったな、オマエ」

…ってことは、もうお芝居はやめてよさそうな気がするけど、念のため小声で問う。

「…もういいの?あの人達は?」

「あぁ、どっか行った」

ホッ
「よかったー。はー、緊張した…」

「ぶっ!緊張することじゃないだろ。つーか何であんなに演技がヘタクソなんだよ」

やっぱりヘタクソだったか…
「だって慣れてないし、どう言っていいのかわかんないんだもん。いつも通りのやりとりだと喧嘩腰で恋人っぽくないしさ。桜賀は恋人とのやり取りが慣れてるみたいですけどねー」

最後にちょっと嫉妬も含めてチクリ。

「俺も慣れてなんかねぇよ。演技がうまいだけだ、オマエと違って」

え?
「慣れてないんだ。へー…意外」

「!……そんなこと言うヤツにはアイスはやらねぇぞ」

あぁぁ!
長身の桜賀にひょいっとソフトクリームを取り上げられてしまった!

「桜賀さんすみませんでした桜賀さんはモテモテですしお芝居も上手ですだからソフトクリームください」

「くっそ……ぜってぇやらねぇ……」

「そこを何とか桜賀さん!」

「やらねぇ」

「あぁぁ…」



…結局、私がソフトクリームを食べたのは最初の一口だけだった。ぐすん。

ていうか、あれは間接キスになると思うんだけど、桜賀は気にならないのかな…

なーんて、聞いたところで返ってくる答えは分かっている。

『オマエ相手に誰が気にするんだ』


…傷つくのをわかっててわざわざ確認するほど私はマゾではないから聞かないけどね…

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