お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~

ようやく新宿駅構内に入ると、やはり人でごった返している。

「今日はやけに混んでるな。…俺から離れるなよ」
「うん」

その言い方は本当に恋人同士の様で、手を繋いでいるのもあって、つい勘違いしてしまいそうになる。


…そう。ソフトクリームを食べ終わった桜賀は、また私の手を取って歩きだしたの。

ほんと、優しいのか冷たいのか…何を考えているのかわかんない。



ホームへ移動し、程なくして来た電車に乗り込むと、車内は少し窮屈に感じた。

「大丈夫か?」
「うん」

そう言ったのに、桜賀は繋いでいた手を離し、私の手を自分の腕に掴まらせた。

そういうの、ほんと慣れてるよね。
私にですら平気でこれくらいするのだから、彼女にはもっと優しく、しっかりと守ってあげるんだろうな。

うん…きっと彼女なら……肩や腰を抱いたりするんだろうな……そして彼女も…桜賀に寄り添ってさ…

そんな彼女なら可愛くて堪らないだろうな…

私とは大違い…


なんて、しなくていい想像までしてしまい、心にチクンと痛みが走った。

< 25 / 267 >

この作品をシェア

pagetop