お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
「こちらに掛けてお待ち下さい」

南さんはそう言ってこの部屋を出ると30秒も経たないうちに戻ってきたのだけど、南さんに続いて、ホテルスタッフに両脇を抱えられた男性が項垂れた様子で入ってきた。

え、その人って…


「…間宮くん…?」

つい漏れてしまった言葉に、彼は少しだけ頭を上げた。

「…ナツ…」

…やっぱり……でも何でここに…?

私の怪訝そうな顔に気付いたのか、南さんが「勝手にすみません」と私達に頭を下げ、言葉を続けた。

「…今朝の件は、奈都子さんが無事だったとはいえ、彼のしたことは犯罪になりうる行為。それについては私から彼に説明をしました。ですが、彼の処分については奈都子さん達にしかできませんので、皆様にお越し頂いた次第です」

「そうでしたか。それはありがとうございます。…奈都子、どうする?」

「あ……うん……その前に、間宮くんに聞きたいことがあるんだけど…いい?」

「あぁ、もちろん。奈都子の好きにしたらいいよ」

「ん…ありがとう」

実は、間宮くんの今日のおかしな行動や発言に、違和感というか腑に落ちない点があったんだ。

確かに結果的には、私は襲われる寸前だった。

けれど、元から襲うつもりなら、もっと早く手を掛けていたはず。

それに…もしかしたら、だけど…

もし襲われた時に、私が泣きながら必死に抵抗していたら…何となくだけど、間宮くんは止めてくれたんじゃないかと思うんだ。


…そう思うのは、今朝のあの話の通じなさが、昔の川嶋ニイナさんの時に似ていると気付いたから。

私の話を理解しようとせず、自分が正しいと信じきっているあの様相は、私の知る本当の間宮くんではないと思ったから…


だから、理由が知りたかった。
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