お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
「…間宮くん、何であんなことをしたの?」

私は、テーブルを挟んで向かい側の椅子に座る、俯いた間宮くんに問い掛けた。

「ナツ……ごめん……怖かったよね……怖がらせてごめん……」

顔を上げて私を見た開口一番の言葉は、謝罪。
そして、その目からは涙が溢れていた。

あぁ、きっと南さんが本気でしっかり叱ってくれたんだ。と分かるほど、間宮くんは反省している様に見えた。

「それで、どうしてあんなことを?」

「…ナツとカフェで話した日、ナツが店を出てから川嶋アイミが僕の前に座ったんだ。…ナツが座ってた席にいきなり座って…」

「うん」

「それで…その時の僕達の事を見ていたらしいんだけど……ナツは桜賀さんに無理やり恋人にされている、本当は僕の事が忘れられないと言っていた、ナツを助け出して幸せにできるのは僕だけだ、って事を言われて…」

「うん」

「僕にはナツが嘘を言ってる風には見えなかったし、本当に諦めようと思ってたんだ。だから、そんな事を言われても最初は信じられなかった。けど……会社で待ち伏せされて、何度もそれを言われてる内に、それが本当なら僕が助けなきゃ、幸せにしなきゃ、って思い始めて……だから彼女が提案したナツを助け出す計画に乗った。…それで、ナツを確実に助け出すには子供を作るしかないって。そうすれば桜賀さんも諦めるだろうって、本気で思ってしまった…」

「そう…」

「…僕はバカだ!とんだバカだよ!何で気付けなかったんだ…!あの時と同じじゃないか!……しかも川嶋だなんて……姉妹にしてやられるとか、ほんとの大バカだよ…!」

「間宮くん…」

「……ナツ、僕はもうナツの事は諦めた。覚悟はできてる。僕はそれだけの事をした。だから、警察に付き出してくれ」

「………」


真面目に、真摯にそう告げる間宮くんに、すぐには答えが出せないでいると、響が間宮くんに話し掛けた。

「間宮さん、本当に奈都子の事を諦められるんですか?」

「…桜賀さん。僕にはあなたを超えることは無理だ。あんなに幸せそうなナツを…僕は見たことがないからね…」

「え?見たって、いつの話?」

「ごめん、ナツ。…さっき、ナツ達が会場を後にする時に、南さんにお願いして、気付かれない様に陰から見させてもらったんだ」

「そう…」

「とても綺麗だったよ、花嫁姿のナツ。…桜賀さんに大事に扱われてるナツが本当に幸せそうで…眩しかった。…その時に、僕は本当に間違ってたんだと心の底から理解できたよ。ナツを幸せにできるのは僕じゃなかったと…」

「………」

「僕の人生にナツがいないのはもちろん寂しいよ。…でも、僕はもう…ナツの幸せな人生の邪魔をしたくないんだ。だから…遠慮なく通報してくれてかまわない」

「…………」



そして私は少し考えたあと、間宮くんに切り出した。

「もう、ここで終わりにしましょう」

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