お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
ほっ、助かった。と安心した瞬間。
「いだだだっ!」
桜賀が私の頭に乗せた手の指先に力を入れた。
「痛いよ桜賀っ!どっかツボ押してない!?痛い!」
「…オマエなぁ……これのどこが〝無事に帰れる〞なんだ?オイ」
桜賀の指がグリグリと頭皮を押す。
「いだだだっ!…えっと、酔っぱらいに絡まれはしたけど断ってたし!」
「断りきれたと思うか?」
「うん!……いででっ!」
「…あれでか?」
「うん!バッチリ!……いだだだ!痛い!」
「でも俺が行くまで断れてなかったよな?」
それは…
「…うん」
「だから送るっつったのにオマエは……ハァ」
…やっと頭から手を離してくれた。
頭皮の血行が良くなったんじゃないかしら。
「だって、まさか私がこんなとこで声をかけられるなんて思ってもみないじゃない?」
「世の中思ってもみない〝まさか〞が起こるんだよ。だから保険が必要なんだろ?」
ぐっ…ここで私達の仕事を出してくるとは…
「…仰る通りです…」
「わかったんなら、大人しく送られろ」
「はい…よろしくお願いします」
…ていうか、何故にナンパされただけなのに桜賀に怒られなきゃいけないのかしら。
それは彼女にすることであって、私に怒る理由なんてないのに。
そして歩きだすと、また手を繋がれた。
「あの……ここなら新宿と違ってはぐれることはないと思うけど」
「まだ分からねぇのか?…男連れに見せてんだよ」
「あぁ!そういうことか!」
さっきの人達も桜賀を夫だと思って去っていったもんね!なるほど納得!
「ハァ……頭痛ぇ…」
「え?もう二日酔い?」
「違う!…本当にオマエは正真正銘のボケナス子だな…」
「はぁ?どういう意味よ」
「いいから黙れ」
「…………」
そう言われたから、私は黙ったまま、桜賀と手を繋いで歩いた。
桜賀と手を繋ぐのなんて今日が初めてだし、今まで気にしたこともなかったけど…
桜賀の手、こんなに大きいんだ…
指だってきれいで細く見えてたけど…
結構ゴツゴツしてて、がっしりしていて…
男の人の手なんだ…
桜賀は男の人なんだ、と改めて意識する。
……きゅうっ
胸が甘くドキドキし始めると、体の奥が甘く疼いた。
あぁ…やっぱり私…桜賀が好きだ。
相手にされていなくても…
この気持ちはどうしようもないの。
だから…
いつか…桜賀に恋人ができるまで…
片想い…してていいよね…
胸のときめきを心地好く感じながら歩いていると、自然と周りの声が耳に入ってくるようになった。
すると、それまで全く気付かなかった「うわ、イケメン」「でも彼女連れか」という類いの会話が何度も聞こえてきた。
あぁ、そっか…
きっと桜賀もナンパされることに迷惑してたんだ。
声をかけられるなんて私には珍しい事だったけど、桜賀にはいつもの事みたいだしね。
二人でいれば、桜賀も私も声をかけられないもんね。
そっかそっか…
「いだだだっ!」
桜賀が私の頭に乗せた手の指先に力を入れた。
「痛いよ桜賀っ!どっかツボ押してない!?痛い!」
「…オマエなぁ……これのどこが〝無事に帰れる〞なんだ?オイ」
桜賀の指がグリグリと頭皮を押す。
「いだだだっ!…えっと、酔っぱらいに絡まれはしたけど断ってたし!」
「断りきれたと思うか?」
「うん!……いででっ!」
「…あれでか?」
「うん!バッチリ!……いだだだ!痛い!」
「でも俺が行くまで断れてなかったよな?」
それは…
「…うん」
「だから送るっつったのにオマエは……ハァ」
…やっと頭から手を離してくれた。
頭皮の血行が良くなったんじゃないかしら。
「だって、まさか私がこんなとこで声をかけられるなんて思ってもみないじゃない?」
「世の中思ってもみない〝まさか〞が起こるんだよ。だから保険が必要なんだろ?」
ぐっ…ここで私達の仕事を出してくるとは…
「…仰る通りです…」
「わかったんなら、大人しく送られろ」
「はい…よろしくお願いします」
…ていうか、何故にナンパされただけなのに桜賀に怒られなきゃいけないのかしら。
それは彼女にすることであって、私に怒る理由なんてないのに。
そして歩きだすと、また手を繋がれた。
「あの……ここなら新宿と違ってはぐれることはないと思うけど」
「まだ分からねぇのか?…男連れに見せてんだよ」
「あぁ!そういうことか!」
さっきの人達も桜賀を夫だと思って去っていったもんね!なるほど納得!
「ハァ……頭痛ぇ…」
「え?もう二日酔い?」
「違う!…本当にオマエは正真正銘のボケナス子だな…」
「はぁ?どういう意味よ」
「いいから黙れ」
「…………」
そう言われたから、私は黙ったまま、桜賀と手を繋いで歩いた。
桜賀と手を繋ぐのなんて今日が初めてだし、今まで気にしたこともなかったけど…
桜賀の手、こんなに大きいんだ…
指だってきれいで細く見えてたけど…
結構ゴツゴツしてて、がっしりしていて…
男の人の手なんだ…
桜賀は男の人なんだ、と改めて意識する。
……きゅうっ
胸が甘くドキドキし始めると、体の奥が甘く疼いた。
あぁ…やっぱり私…桜賀が好きだ。
相手にされていなくても…
この気持ちはどうしようもないの。
だから…
いつか…桜賀に恋人ができるまで…
片想い…してていいよね…
胸のときめきを心地好く感じながら歩いていると、自然と周りの声が耳に入ってくるようになった。
すると、それまで全く気付かなかった「うわ、イケメン」「でも彼女連れか」という類いの会話が何度も聞こえてきた。
あぁ、そっか…
きっと桜賀もナンパされることに迷惑してたんだ。
声をかけられるなんて私には珍しい事だったけど、桜賀にはいつもの事みたいだしね。
二人でいれば、桜賀も私も声をかけられないもんね。
そっかそっか…