お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
「オマエ、今日1人?」
「うん。葵は帰省するから」
「ふーん。じゃあメシ行かね?」
「え、いいけど…私はいいわけ?」
「美人とかどうとかより、奈都子となら気楽に食えるし、話してて飽きないからな。メシは楽しい方がいいんだろ?」
「…そうだね」
私と話してて飽きないだなんて、嬉しくてほっぺたが緩みそう、うふふ。
「じゃ、その後オマエん家で飲ませてもらおうかな、タダ酒。この前逃したから」
「えぇっ!」
「あぁ、都合悪かったか?」
「ううん!大丈夫!うちで一人飲みしようと思ってたとこだし」
「そっか。じゃあメシ食ったら、つまみ買ってくか」
「やったぁ!」
「ん?そんなに俺と飲めるのが嬉しいのか?」
ハッ!また素直に喜んじゃった!…えっと…
「おつまみが!」
「…オマエ…俺を金のなる木とか思ってね?」
「違うって!楽しみなの!あぁ、おつまみが!」
「つまみが楽しみって…まぁわからなくはねぇけど…」
桜賀に『おつまみ好きの変なヤツ』認定されそうだけど仕方ない。
だってそうカモフラージュしないと、バレちゃいそうなんだもん。
だって、私の気持ちがバレたら…
…桜賀は迷惑すると思うから…
…避けられちゃうと思うから…
…こんな風に話せなくなっちゃうから…
この気持ちはバレちゃダメなの。