お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~

ドッキドキ!おうちデート!


「どうぞー、狭いけど」

「おじゃまします」


牛丼屋さんで軽く食べたあと、スーパーに寄っておつまみを買ってもらい、二人で私の部屋に来た。

以前、桜賀と仕事で外出していた際、途中で急用ができて私の家に寄った時に5分位リビングに上がってもらったことはあるけど、家でじっくりと二人きりになるのは初めてだから、やっぱりドキドキする。

お掃除はしてあるから汚くはなかったよね…と少しだけ心配しながらパチ、と部屋の電気のスイッチを入れると同時に気がついた。

あー!
リビングに洗濯物を干してたんだったー!


「ごめん、ちょっとだけ待って」

慌てて下着類を干してたピンチハンガーを抱えて隣の寝室へ持っていった。

…ふー…


「えへ、バタバタしてごめん」

リビングに戻ると、桜賀は脱いだジャケットと外したネクタイをカバンの上に置いたところだった。

「スーツとかシワになるから掛けるよ。そこの座布団のとこに座ってて」

と、寝室から持ってきた木製ハンガーで、テレビが見やすい位置を指して言う。

「あぁ…サンキュー」


ジャケットとネクタイを型崩れしないように丁寧にハンガーに掛けると、さっきまで洗濯物があった物干しラックに掛けた。

私の部屋にふわりと桜賀のフレグランスが香るというこの状況に、またもやドキドキしちゃった。


「これでヨシ、と」

「下着干してたのか、いきなり来て悪かったな」

「みっ見たの!?」

「見 え た、の」

「ていうか、普通見えてもそれ言わないよね」

「何で奈都子に遠慮する必要がある」

「…じゃあ他の人なら言わないんだ」

「あぁ、言わねぇだろうな」

「あっそう…」

「そもそも俺、女の家には上がらないし」


ハイ?女の家に上がらない?
じゃあ、今上がっている家の主である私は女じゃない…?
つまり、私を女扱いしてないってこと…?


あー……そっか。
だから私の部屋で家飲みするのも平気なんだ。

まぁ…分かってたことだけどさっ!

< 40 / 267 >

この作品をシェア

pagetop