お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~

「大丈夫か?」

「…うん…大丈夫……ちょっと慣れないこと言われてびっくりしただけだから」

まだ普段よりも動悸が激しいけど、それでもかなり落ち着いてきた。…ふぅ


「ハハ、悪かったな、やりすぎた」


はぁ…ほんとに…

「そうだよっ!桜賀が言うと破壊力が増すんだからね!」

「…破壊力?なんだそれ」

「とっとにかく桜賀がそういうこと言うと、他の人に言われるより何倍もビックリするの!…はー……アイス食べて落ち着こ。桜賀も食べる?『バニラクリームバー』でよければ」


桜賀の態度にずっと火照りっぱなしだったせいか急に冷たいものが食べたくなって、キッチンへと向かった。

確か冷凍庫に箱入りのアイスバーがまだ2、3本あったはず……え!

「うっそ!空っぽ!何で!……あ!おととい食べちゃったんだっけ…」

あー……残念……
でも体がもうアイスを食べるつもりになってるしなぁ…

よし。

「桜賀、ごめん。近くのコンビニでアイス買ってくるね。桜賀も食べるでしょ?好きなの買ってくるよ。何がいい?」
小さいバッグにお財布とスマホ、マイバッグを入れながら問うと怪訝な顔をされた。

「…オマエ、その格好で行く気か?」

「うん。部屋着だけどパジャマっぽくはないでしょ?」

「…奈都子、俺の話を聞いてたか?」

「うん、ちゃんと聞いてたよ。男の人と2人の時には着ちゃダメなんでしょ?桜賀を除いて」

わかってるからそう言ったのに…

「そうだけども!でもな、今は夜だぞ!? そんな格好した女がうろうろしてたら2人とか関係なく危ないだろ!アホか!」

…何で怒られてるの?

「やだ、それこそアホじゃないんだから、うろうろなんてしないってば。サッと行ってサッと帰ってくるだけだよ?…桜賀ってば意外と心配性なんだね」

大丈夫だって!と笑ったら、はー……って長いため息をつかれちゃった。


「…わかった、俺が行ってくる。…アイスはこの前のソフトでもいいか?」

「そんな、客人におつかいに行かせるなんて悪いよ」

「いや、俺に行かせてくれ。じゃあ、この前の買ってくるからな」

と、立ち上がるや否や桜賀は足早に玄関を出ていった。



…もう行っちゃった…

じゃあ今のうちに食べ終わったお皿とか片付けちゃいますか。


桜賀に手料理(と言っていいのかわからないけど)を振る舞ったのは初めてだけど、きれいに全部食べてくれたのがすごく嬉しい。

もっと上達したら、ちゃんとした手料理を食べてほしいな。

なんて、それは難しいか。
桜賀ならたくさんの女性から外食も手料理も誘われるだろうし。

あっ、でも私となら気楽に食事ができるんだよね、そう言ってたよね。
じゃあ、手料理を食べてもらうだけなら望みはあるかも?

…だよね!
よーし、これからはお料理にも力を入れようっと!

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