お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
矢野さんのショールを羽織っていたお陰で恥ずかしい思いをすることもなく、無事にマンションへと戻ってこれた。
けど……
「はぁ……」
「はーぁ……」
「ふぅ……」
ため息をつきたいわけじゃないのに…
気付けば次から次へと出てしまっている。
葵が別れ際に「泊まりに行こうか?」と言ってくれたけど、今日は遠慮した。
何だかもう…純粋に仕事以外の事で頑張るの、疲れちゃった。
仕事……辞めたいなんて言ったら、お父さんとお母さん、何て言うかな……
そんな事を考えながら、赤ワインの染みたブラウスを、家にあった粉末タイプの酸素系漂白剤で染み抜きをしてみると、それほど時間が経っていないのもあってか、パッと見はきれいに落ちたみたい。
これで1回洗濯して、それでもシミが残っていたらクリーニングに出せばいいね。
お気に入りのブラウスのシミが落ちてほっと安堵したところで、葵にも『ワインのシミ、ちゃんと落ちたよ!』とメッセージを送っておいた。
すると『おぉー!さすがナツコ!ナツコん家に無い洗剤は無いね!』と即レスが。
またそれに返事をして、私達のメッセージのやり取りは終了。
スマホをテーブルに置いて、座布団に座ると、またため息が漏れた。
「はぁ……」
今日…桜賀が遅れてくれて良かった。
あんなところ見られたくないもん。
もう桜賀も着いてる頃だよね。
…私達がいないこと、ルナさんは何て説明したんだろう。
課長達のことだ、きっと私の事を悪く言っているんだろうな…