お守りに溺愛を込めて~初恋は可愛い命の恩人~
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あれから……桜賀から連絡は来ていない。
連絡を取っていないどころか会社で桜賀と顔を合わせることもなく10月に入ると、矢野さんが産休に入ると同時に、桜賀が多摩支店に来なくなった。
それは、桜賀が本社に異動したから。
その事実を私と葵、そして多摩支店の社員が知ったのは、10月1日のことだった。
お昼休み、いつもの公園で回りに誰もいないのを確認して葵が言う。
「ほんとにナツコ、聞いてなかったの?」
「うん…全然。ていうか、矢野さんのあの日から会社でも会ってないし、連絡も来てないし」
「そっか。でも何でいきなり本社なんだろ」
「成績がいいから…かなぁ」
「でもさ、職場の場所が変わっただけで家はそこそこ近いんだし、また夕飯に来てくれるでしょ」
「…どうかな……忙しいんじゃないかな、本社勤務だもん」
「だったら尚更、息抜きさせてやんなきゃ」
「…桜賀の息抜きになるならいいけど……今回の異動だって何も聞いてなかったしさ……距離置かれちゃったのかもね、ハハ…」
「ナツコ…」
だって、私にも黙ってたなんて…
やっぱり…信用されてなかったんだね…
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あれから……桜賀から連絡は来ていない。
連絡を取っていないどころか会社で桜賀と顔を合わせることもなく10月に入ると、矢野さんが産休に入ると同時に、桜賀が多摩支店に来なくなった。
それは、桜賀が本社に異動したから。
その事実を私と葵、そして多摩支店の社員が知ったのは、10月1日のことだった。
お昼休み、いつもの公園で回りに誰もいないのを確認して葵が言う。
「ほんとにナツコ、聞いてなかったの?」
「うん…全然。ていうか、矢野さんのあの日から会社でも会ってないし、連絡も来てないし」
「そっか。でも何でいきなり本社なんだろ」
「成績がいいから…かなぁ」
「でもさ、職場の場所が変わっただけで家はそこそこ近いんだし、また夕飯に来てくれるでしょ」
「…どうかな……忙しいんじゃないかな、本社勤務だもん」
「だったら尚更、息抜きさせてやんなきゃ」
「…桜賀の息抜きになるならいいけど……今回の異動だって何も聞いてなかったしさ……距離置かれちゃったのかもね、ハハ…」
「ナツコ…」
だって、私にも黙ってたなんて…
やっぱり…信用されてなかったんだね…