君と始める最後の恋
 それから2週間後ほど、特に先輩とも大きな変化はなく、週末の帰り道沙羅さんと電話をしながら話していた。


「そろそろでドキドキですね。もう生まれてくるなんて。」

『本当早いよね、生まれたら会いに来てね郁ちゃん。』


 沙羅さんが臨月に入っていたのでそんな会話をする。私までソワソワしてしまうんだけど、そんな私を見て類くんは「何で君がソワソワするの」って呆れていた。

 そんな類くんとは最近お泊りすら出来ていないな。特別忙しいわけでもないんだけど、先輩から誘ってくれることも私から誘うこともなくて最近は本当会社で会うだけ。

 最近類くん不足すぎて死にそう。誘いにくいとかはないのだけど、我儘言って子供っぽいとか、うるさいとか、重たいとか思われたくなくて、といった感じで考えだしたらもはや何もかもNGに見えてきてしまって、中々勇気が出なかった。


『…郁ちゃん、元気ないね。何かあった?』


 沙羅さんは私の様子にいつもかなり敏感に気付いてくれる。こういうところが沙羅さんの事好きで、いつも沙羅さんには素直に何でも話せている。

 本当に人の感情に敏感で、面倒見がよくて、素敵なお姉さんという感じだ。


「沙羅さん、類くんに私どのくらい甘えて良いんですかね?」

『え?』

「何か、あまりベタベタ行くとうざいって思われるかなとか…。そんな事ぐるぐる考えちゃって、そうしてる内に前とほぼ変わらなくて。私結構うじうじ悩んじゃってます。」


 そう言いながら苦笑いすると電話の奥から沙羅さんが少し笑う声が聞こえる。
< 202 / 426 >

この作品をシェア

pagetop