君と始める最後の恋
 2人で夕食を済ませて、お風呂も済ませればようやくゆっくりタイムになる。

 類くんもソファーに座ってコーヒーを飲みながらテレビを見たり、スマホを見たりしている。

 あの気の抜けている瞬間すごく可愛いと思う。ここまで無防備な類くんは家でしか見られない。


「類くん、明日お休みですし夜更かししちゃいます?」

「何か見る?特に気になる映画とかは無かったけど。」


 サブスク制の動画配信サービスにある映画をテレビで見るため、アプリをテレビのリモコンで操作すると私の方を見てくる。映画を見るのが好きな類くんは次の日予定がない週末はこうして映画をよく見る。

 類くんの隣に座ると、私もテレビを見て気になる映画を探すのが毎週末の楽しみだった。


「意外と郁ホラーもいけるよね。」

「お化け屋敷とかはダメなんですけどね。映像は大丈夫みたいです。」

「そう。てか、飲み物は?何か飲む?」


 そう言いながら立ち上がってキッチンの方に向かう。会社では私の方が類くんのコーヒーを淹れるけど、家では類くんの方がやってくれる。


「じゃあ、ミルクティーにします。あったかいの。」

「はいはい。座って待ってて。」


 座って待っててと言われても私に大人しく待ては出来なくて類くんに後ろから抱き着く。毎度の事だからか、もう何も言わない。慣れた様に私には何も気にせず動いている。

 同棲したては呆れた様に笑ってくれたりしたけど、今は無反応。もう私に対してのときめきは微塵もないのでは?

 一緒に暮らし始めて結構経つし、慣れが出てきて無いのかもしれない。


(少し、…いや、大分寂しいけど…!?)
 

 私はまだまだこんなに類くんにときめけるのに。私の飲み物入れてくれている旦那様愛しい~!ってなるのに!!!!
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